胸腔ドレーン留置されている患者さんを始めて受け持った時
気胸で入院される方は胸腔ドレーンが留置されています。
僕は以前整形と泌尿器科の混合病棟にいたのですがたまーに気胸で臨時の入院があってトロッカーが留置されてくる患者がいました。正直トロッカーの観察とかわからなかったし、受け持ちの時どうしよーって思ってたのが本音です。気胸になる患者さんは比較的若い人が多かったのでコミュニケーションをとることには問題なかったですが、観察点がわかりません(‘◇’)ゞ
看護学生の時に少し習ったことがあるとかそういうレベルでした。業務中にインターネットで少し調べて付け焼刃の観察でした。患者さんには知られなかったですがこんなこと患者さんがしったらめちゃ不安でしょうね(-_-;)
今回は外科病棟に異動したこともあって呼吸器のことも勉強しています。この年齢になって勉強すると思いませんでしたが(( ´∀` ))意外に楽しくやっています。今後は消化器外科のこともアップしていこうと思っていますのでよろしくお願いします。
ということで今回は僕の勉強した胸腔ドレーンの管理と看護の記事を紹介していきます。
胸腔ドレナージってなに?
胸腔ドレナージは気胸に対する胸腔内の脱気、胸腔内貯留物の排出(胸水、血液、感染(膿胸)浸出液など)が目的です。
どんな人に適応になるの?
気胸→単純気胸、緊急性気胸、開放性気胸(外傷性気胸)
胸水→心不全、膿胸、がん性胸水
ドレナージの挿入部位は?
気胸:大胸筋背側、中腋窩線の第4もしくは第5肋間→前腋窩線上→肺尖部
胸水:超音波検査により穿刺部位を選定し、液体が貯留している胸腔内の背側部
合併症
挿入中:挿入中の血管、組織の損傷
挿入後:ドレーントラブルに伴う気胸の増悪、または緊張性気胸
抜去条件
気胸の治癒、排液が血性でなく減少する、リークが消失する
気胸とは
気胸の多くは自然気胸が多いです。やせ型で若い方がなることが多いです。肺胞の一部、または胸膜直下にできた嚢胞が破れて吸気(息を吸ったとき)に胸腔に漏れることで起こります。
外傷性気胸とは
外傷性気胸は肋骨骨折や肺挫傷を伴って血胸を合併する可能性もあります。重症になると胸腔に漏れだした空気が反対の肺や心臓を圧迫しショックをまねく緊張性気胸があります。
緊急性はそれぞれことなりますが胸腔ドレーンは目的に応じて挿入します。
軽症では安静保持で治癒する場合もあります。中等症以上ではドレナージが実施されます。
ドレーン挿入時の看護
物品
キシロカイン、シリンジ10ml、注射針、縫合セット、ナート、クーパ、セッシ、鉗子、ゴミ袋、滅菌ドレープ、滅菌手袋、滅菌ガウン、穴あきシーツ、アスピレーションキット、消毒液。
ドレーン留置の流れ
看護師→患者を臥位にし、上半身のみ脱衣する。
挿入部位は広範囲に清潔野を保ちます。
医師→滅菌ガウン、滅菌手袋の装着。
看護師→滅菌ガウンのひもにある紙を前に持ってひもを誘導し医師に渡す。
医師→挿入部位、挿入部位周辺を消毒、穴あきシーツを敷く。
局所麻酔を行う。
看護師→医師が穿刺時、鉗子で肋間筋を剥離する。この時に衝撃が加わるため患者に苦痛や疼痛の程度を聞き不安の介助に努める。
医師→ドレーン挿入後抜去予防目的、気密性の確保目的でナートをする。
看護師→ドレーン挿入後、排液システムに接続。医師の指示の吸引圧に設定。
留置するときと抜去するときの介助の時は準備はしっかりしておきましょう。
怖い先生ならめっちゃ怒られます(笑)
僕はすごく怒られました。いや、そんなこと言っても介助入ったことありま
せんからね(;゚Д゚)と思いながら。言いましたからね、先生に。
患者さんにも不安を与えるしトラブルにもつながる可能性もあるので僕も反省しています
(-“-;A …アセアセ。反省しながら復習しています。
胸腔ドレーン留置中の看護
排液システムには水封(ウォーターシール)と持続的吸引の2種類あります。
ウォーターシールは抜去時の目安で実施されます。
持続吸引は気胸で肺の膨張がみとめられないとき、胸水や血胸の貯留が認められた時に
低圧持続吸引が行われます。
ドレーンの固定と観察点、管理
患者の体動や安全を配慮して固定を行う。患者の体とチューブの固定を行います。
テープで固定しているため皮膚トラブルも起こりやすく観察が必要です。
刺入部の疼痛、苦痛の有無を確認します。患者は痛みもありどの体制が楽か考える余裕もないことも多いです。そのため看護師から安楽な体位の提案をしてみましょう。横に向いてもらうなど少し提案すると痛みも緩和されるかもしれません。
皮下気腫があるか。気胸の患者さんは皮下気腫が発生することが多いです。胸部周囲に皮下気腫が発生し拡大すると肺や心臓などの臓器を圧迫し呼吸状態や循環動態が悪化する可能性もあるため拡大したときはバイタルサインの変化に注意しましょう。
呼吸性変動があるか。呼吸性変動は患者が自発呼吸をしている場合吸気時に水位が上昇し呼気時に水位が下がる仕組みになっています。呼吸性変動がみられない場合はドレーンの閉塞や肺が再膨張しています。
エアリークの観察
エアリークは水封室から気泡の有無を観察していきます。エアリークが認められない場合は肺が十分膨張しているときエアリークは認められません。
呼気時に観血的なエアリークがあるときは胸腔からの排気があるということになります。
呼気、吸気にエアリークがあるときは胸腔以外からリークしていることと考えましょう。
ドレーン内の排液性状を観察。 留置直後では血性であるが徐々に漿液性に移行してきます
胸腔ドレーンの抜去時期
- レントゲンで肺の拡張が認められているとき。
- リークの消失、排液の減少、排液が漿液性に移行している。
- クランプテストで症状が出現しない
以上が僕の胸腔ドレーンの勉強したことになります。この記事をみて少しでも参考になっていただければと思います。また、ここは違うんじゃない?とか追加で知っていることもあれば教えていただきたいです( ´∀` )
参考文献:ドレーン・チューブ管理&ケアガイド
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